ねたまとめ速

　全日本柔道連盟（全柔連）が強化委員会内に簿外の内部留保金約２８００万円を隠していたことが１４日、分かった。助成金を受給する指導者に対して同委員会が「協力金」の拠出を求め、積み立てていた。懇親会費などに充てたとされるが、帳簿類はなく、全柔連は外部の専門家らによる調査を行うことを決めた。

　会見した上村春樹会長によると、集めた金は海外遠征時の代表チームの打ち上げや強化委内部の懇親会、冠婚葬祭など、全柔連が支出できない費目に対して使われていた。個人による私的流用はなかったという。

　助成金は日本スポーツ振興センターがトップ選手や指導者に支払う「スポーツ活動助成金」。コーチには年間１２０万円が支払われる。強化委は１人につき４０万円の「協力金」を求め、強化幹部名の個人口座にプールしていた。２０１２年度は柔道で４７人が助成を受けている。同センターの担当者は「競技力向上のために支給する個人助成なので、目的外使用を判断するには、どんなタイミングで徴収していたかがポイントになる」との見解を示した。

　「集め方や集めた金額には問題があるかもしれない」と釈明した上村会長は残高を約２千万円と説明したが、関係者によると約２８００万円にのぼるという。今後の調査で、総額や使途について究明する方針だ。