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朝日新聞デジタル:(いま伝えたい)恥じ入った問い 険しい道のりを痛感 - 社会


■「千人の声」その後 取材後記:15



 【山崎聡】時間が止まっているようだった。東日本大震災による津波が襲った岩手県山田町を1年ぶりに訪れ、風景がほとんど変わっていないことに驚いた。むき出しになった建物の基礎に茶色い草が生い茂り、それが年月の経過を訴えていた。土地のかさ上げ工事は始まらず、仮設住宅は以前と変わらぬ姿で立っていた。



 ひとり暮らしの加藤ノブさん(71)。再会を喜び合ってから、長引く仮設暮らしについて尋ねた。「慣れましたか」。「慣れたね」とこたえた後、すぐに言い直した。「慣れなきゃなんないという心から、自分に言い聞かせてんのさ」。心ない質問をしてしまったことに気がつき、自分が恥ずかしくなった。家を失った後の生活に、そう簡単に慣れるはずなどない。



 津波の話をするとき、加藤さんは、いま目の前で起こっていることのように話す。目は遠くを見ているようで、両手は宙を漂う。昨年2月に出会ったときは、仮設の談話室に集まった人たちに月2回、津波の怖さや教訓を話していた。「いつかまた津波は来る。親は子に、子は孫に伝えていかないと」と言っていた。



 その思いは変わっていない。ただ、津波の話をする機会は減ってきた。「せっかくみんなが前を向こうとしているのに、ガクッとさせたらかわいそうだから」。でもね、と加藤さんは続けた。「津波に遭ってから2年になるけど、本でいえば1ページにもなってないんだよ。昨日のことは忘れても、津波のことは忘れない。心の中は死ぬまでずうっと津波だよ」



 小林由松さん(88)は、1年前に出会ったとき、眠れなくて毎晩、安定剤を飲んでいると言っていた。津波で妻を亡くしてから、寝付けなくなったのだ。昨年より顔色は良くなっていたが、状況は変わっていなかった。医師からは量を減らすように言われ、錠剤を半分に割って飲むようにしたが、すぐに目が覚めてしまい、もう半分も飲む。



 仮設住宅の台所で包丁を使うと、トン、トンという音で妻を思い出す。だから料理をしないように、近くのスーパーで買ってきた総菜ばかりを食べているという。「忘れようとすんのよ。でも、思い出してしまう。津波で、突然つれていかれたから」


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